LIVE STAGE

BOCCHI THE ROCK

  • Gt. HITORI GOTOH
  • Dr. NIJIKA IJICHI
  • Bg. RYO YAMADA
  • Gt.Vo. IKUYO KITA

2023.8.11 FRI - 8.20 SUN

THEATER MILANO-Za

THEATER MILANO-Za -OPENING SERIES-

NEWS

LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」コメンタリー収録レポート&インタビュー

2023年10月下旬、都内のスタジオにてLIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」Blu-ray&DVD用のビジュアルコメンタリー収録がおこなわれた。千穐楽公演の中から、特に振り返って見直したい・コメントをしたいシーンを各キャストが選び、見ながら感想を言い合ったり裏話などを語ったりする企画だ。出演者は、守乃まも(後藤ひとり役)、大竹美希(伊地知虹夏役)、小山内花凜(山田リョウ役)、大森未来衣(喜多郁代役)。 
各シーンに見入りながら、時おり「かわいい!」「そんな顔してたの!」とお互いをつついたり軽く叩き合ったりするなど、4人が仲良くじゃれあいながら収録は進んでいく。ひとり(ぼっち)と喜多ちゃんの出会いのシーンでは守乃が「本当にまぶしいんです、目が…」と物理的にも光を浴びたことを告白。パリピ眼鏡を着用した虹夏・リョウの「イェーイ」では、ピースの仕方をどうするか2人で話し合っていた裏話が。 

はじめは控えめだった4人のトークも、収録が進むにつれて各シーンでのこだわりなどがどんどん飛び出し「思い出すと止まらないね」「何回見てもおもしろい!」と盛り上がり続ける。ライブシーンでは、客席と同じく息を詰めて“結束バンド”の演奏を見守り、盛大な拍手を送る4人。「お腹いっぱいです!」と大満足な笑顔のまま、ビジュアルコメンタリーの収録は終了した。 
ビジュアルコメンタリー収録後、公演の思い出やそこで得たもの、それぞれがお互いへ今伝えたいことなどをインタビューした。


――ビジュアルコメンタリーの収録お疲れさまでした! 公演を終えて2か月ほどたちましたが、本作に出演して変化したことはありますか? 

大竹美希(伊地知虹夏役):周りに変化があったのを感じています。舞台が終わってからは、以前と同じくライブやレコーディングなどの音楽活動をしているのですが、本作から興味を持ってライブに来てくださる方が増えたんですよ。うれしいですね! 

大森未来衣(喜多郁代役):私は、舞台への出演をきっかけにアニメをたくさん見るようになりました。アニメってこんなに素晴らしいものなんだ! と改めて感じて。最近はおすすめいただいたものや興味がわいた作品をどんどん見ています。 

小山内花凜(山田リョウ役):舞台の稽古と公演で毎日外に出ていた反動で、しばらく家にいる期間があったのですが(笑)、いろいろな舞台を観に行くようになりました。本作を経験して舞台やお芝居の楽しさを知れたので「また舞台に立てたら」と感じるようになったのも大きな変化です。 

守乃まも(後藤ひとり役):私は、何も…何も変わらなくて愕然としています…何か変われるかなと思ったんですけれども何も変わらなくて。舞台が終わってからは外に出たくなくて家にいて、ネットの海でずっと泳いでいます…。SNSでは公演中から今に至るまで称賛のリプライやコメントをそれはもう恐ろしいほどにたくさんいただいていますが私自身はそんな大それた人間ではないので、そこまでほめたたえていただかなくても大丈夫です誠にありがとうございます…。 


――あれだけ大きな舞台でしっかりと主演を務めながら変わらずにいられるのも、すごいことだと思いますよ。公演後、連絡を取り合ったり皆さんで会ったりはしていましたか? 

大森:つい先日、みんなでテーマパークへ行きました! 

大竹:私はもっとみんなで遊びに行ったりご飯に行ったりもしたいんですけど、急には集まれないんですよ。けっこう前から予定を組まないと外に出てきてくれない人がいるので(笑)。 

守乃:あっ…こ、心構えが必要なので事前に言ってもらえれば…。 

小山内:うん、行こう行こう! 



――舞台を振り返ってみて、役作りで苦労したことや印象深かったことは何ですか? 

小山内:リョウちゃんを演じる上で難しかったのは、はじめのうちは“クールである点”にとらわれてしまって…。でも、徐々にリョウちゃんが分かってきてからは、楽しんでお芝居ができるようになりました。印象的なことで言えば、舞台の上で草を食べることになるとは思いませんでしたね(笑)。それから、腹式呼吸での発声をがんばっていたら公演中に腹筋が割れました。 

守乃大竹大森:すごい! 

小山内:舞台への出演が初めてだったこともあって基礎の基礎から始めたので、それらをすでに身につけている皆さんを改めてすごいと感じました。稽古をしながら「お芝居は基本ができていてこそ」と思うことが多かったです。 

大森:私は、アニメや漫画が原作の2.5次元舞台への出演が初めてだったので、キャラクターとしてどう生きて演じるかとても悩みました。ファンの皆さんがすでにお持ちであるイメージを大事にしつつ、私が解釈して演じる“喜多ちゃん像”も出していきたいと思って…。「喜多ちゃんらしさって何だろう?」と手さぐりで見つけていく過程で、自分と似ている部分や、逆に自分とは違う部分を発見するのが楽しかったです。 

大竹:虹夏ちゃんを演じるにあたって「しっかりしなければ」と強く思っていました。実際の私はまとめ役ではないですし、この4人の中ではうっかり者の方なので(笑)。明るいだけではない、虹夏ちゃんの深い思いを表現できていれば…と思っています。 


山田リョウ役・小山内花凜


――守乃さんは、稽古が始まったころ「ぼっちちゃんを演じることに不安がある」と言っていましたが、その後いかがでしたか? 

守乃:ぼっちちゃんに対して「人間関係をがんばって築こうとしている昔の自分のようだ」と感じていて、演じることに不安がありましたが、稽古が進むにつれて気にならなくなりました。(劇中で)虹夏ちゃんと喜多ちゃんが家に遊びに来たときに、ぼっちちゃんがパリピのような眼鏡をかけてクラッカーを鳴らすシーンがあるのですが、自分自身もそういうところがあるので(笑)。 


後藤ひとり役・守乃まも


―初日の幕が開くと、すぐにSNSを中心に大きな反響がありました。お客さまの反応をどのように感じていましたか? 

小山内:私自身アニメや漫画が大好きなので、「舞台化ってどうなるんだろう…」と公演前に感じていたかもしれない方の気持ちもとても分かるんです。でも、劇場に来ていただけたら絶対に楽しんでもらえる自信はあったので、不安や心配を乗り越えて劇場に足を運んでいただいたり、配信でご覧くださったのは本当にうれしかったですね。 

大竹:私も自信がありました。とはいえ、原作のイメージを崩していないだろうか…? と不安に思う気持ちも同時にあって。だからこそ、初日の公演を劇場や配信でご覧くださった皆さまのたくさんのご感想をSNSで拝見して「よかった」と心から思いました。 

大森:舞台の上から、日々高まっていくお客さまの熱気を感じ取っていました。特に千穐楽日の昼公演(のアンコール曲)からはスタンディングも解禁になったので、お客さまがとても楽しそうにされているのを見て私もうれしかったです。 

大竹:あれは盛り上がったね! 盛り上がりすぎてちょっと間違えてしまったくらいです(笑)。 

守乃:SNSでは、驚くほどたくさんの反応をいただいて…衝撃です…。「海外にも来てください」ってコメントをいただいたりもしました。 

小山内:海外! 行きたいね! 


喜多郁代役・大森未来衣


――ライブと言えば、劇場では生の音の“圧”を強く感じました。特に曲が「あのバンド」に入った瞬間に音量・圧・気迫どれもが圧倒的に変わった印象を受けたのですが、どのように演奏していたのでしょうか?

大竹:実は私のドラム以外、全体の音量はそれほど変わっていないんです。

大森:曲に入る瞬間に、体のアクションを大きくして。 

小山内:それで、みんなで一緒に「いくぞ!」「えいっ!」と入った感じです。 

大竹:「ギターと孤独と蒼い惑星」と「あのバンド」とでは大きく意識を変えたので、音に圧が乗ったのを肌で感じていただけたのかもしれません。両曲の違いに気づいてくださったお客さまも多くてうれしく感じました。 


伊地知虹夏役・大竹美希


“結束バンド”としての気合と気持ちが音に乗ったのですね。「Distortion!!」などのアンコール曲では皆さんが笑顔で演奏している姿が印象的でした。 

守乃:ノリノリでぴょんぴょん跳ねながら演奏しちゃいました、ふふっ。 

大竹:あれすごく楽しそうだった!(笑) 


――公演を終えて、本作に出演してよかったと感じていることを教えてください。 

小山内:「ぼっち・ざ・ろっく!」という作品が、より大好きになりました。こんなにもハマれる作品に出会えて幸せです。リョウちゃんを演じることを通して、作品やリョウちゃんへの解釈が広がり深められました。いちファンとして「ぼっち・ざ・ろっく!」をさらに楽しむきっかけにもなれて、今とても楽しいです。 

大森:私は、これからの夢が広がりました。本作に出演する前に抱いていた「2.5次元舞台に出演したい」の願いがかなったと同時に、新しい扉が開いたんです。先ほどお話したようにアニメが大好きになりましたし、ギターももっと本気で頑張りたくて。これからやりたいことや挑戦してみたいことが増えて「未来は明るい!」と感じています。 

大竹:花凜と似てしまうのですが「ぼっち・ざ・ろっく!」と虹夏ちゃんがもっと大好きになりました。虹夏ちゃんと過ごせたこの夏は幸せな時間だった、と振り返りながら噛みしめています。それから、バンドの良さや楽しさにあらためて気づけました。私はドラムを叩くのは好きなのですが、固定のメンバーとがっつり組むバンドの活動には積極的ではなかったんです。でも本作で「バンドってこんなにも良いものなんだ」と気づいて。この経験は、ドラマーとしての自分の今後の活動にもきっと生きるはずです。 

守乃:後戻りできない状況になると、人はこんなにも力を発揮するんだと学びました。そもそもオーディションも「何かの経験になれば」くらいのつもりで受けたんです。そうしたらなぜか受かってしまい…。これまで「必死に努力をしたくない」をモットーにしたような人生を送ってきたので、この作品に取り組むこと自体が私の限界値から飛び出ていて。毎日「ダメかもしれない」と思いながら過ごしていました…。




――「オーディションを受けてみよう」と行動したことが素晴らしいと思いますよ。ここであらためて、皆さんがお互いに対して感じていることをメッセージにして伝え合っていただけますか? 

大竹小山内大森:ええーっ! 恥ずかしい! 

守乃:あっ、じゃあ私からいきます。まずは花凜さまへ。優しくて、稽古でも本番の中でも周りに気遣いがすごくできる人で、私の中で勝手に“お姉ちゃん”的な存在にしていました。人間的に余裕があってすてきで…それから眼福です。

次に未来衣さま。未来衣さまはエレキギターに触れるのが初めてだと聞いたので「力になれないかな」と思っていたんです。でも、短期間の稽古で私の力など必要ないくらいにめきめき上達して、さらにはギターを弾きながら歌うし、その歌もめちゃくちゃうまくて。相当な努力をしないとそんなことはできないはずなので、努力をするのが苦手な私は未来衣さまを尊敬しています。

美希さまは何といっても、ドラムがうまいです。だから何も心配せずに演奏に集中できました。私は人と合わせるのが上手ではないので、美希さまと同じく“バンドを組む”のを苦手にしてきたんです。そんな中、本作では初めてのお芝居に挑戦しながらバンドを組んで演奏もしなければいけなくて…。でも、「大丈夫だろうか」と不安に思っていた気持ちが彼女の存在で楽になりました。これからもドラムを続けていってください。私からは以上です! 




小山内:では次に私が。未来衣。日々の稽古で、未来衣が今までミュージカルの現場で頑張ってきた人だというのが伝わってきました。お芝居の面では私たちを引っ張る存在でいてくれて。はじめは弾けなかったギターをあんなに笑顔で弾けるようになったのは、未来衣の努力の成果だと思っています。本当に大変だったと思うけれども、毎日の努力を重ねてすてきな喜多ちゃんになってくれました。

おまも。初対面のときは、正直「大丈夫なんだろうか?」と思いました(笑)。でも、毎日一緒に過ごしていくうちにどんどん自然体になってきてくれて「まもが安心できる場所になれてよかった」と感じています。
まもは「努力が苦手」といつも言っていたけれども、そんなことはないです。初めての舞台で膨大なセリフ量を抱えて、演奏もしなければいけない。私たちが見ていないところできっと努力していたんだと思います。まも、かっこいいよ!

お美希。初めは「プロのドラマーとして活動してきた美希と私が、同じリズム隊でいいのだろうか?」と不安に思っていました。でも、あるとき美希が「一緒に音を合わせるの、楽しいよ」と言ってくれて。それが本当にうれしくて心の支えになりましたし、時間があればセリフの練習をしていた美希を見て「私もがんばろう」と励まされました。実は、公演の最後にみんなにこっそり直筆の手紙をくれたんです、しかも無記名で(笑)。そういう所もかわいいなぁ、と思っています。



大森:私、いきますね。お花凜は、責任感が強くて、目の前の物事に全力で取り組む人です。私たちがより良くなるためにはどうするべきかをたくさん考えてくれて。お花凜自身、少し抜けているところはあるけれども(笑)絶対的な安心感があって、頼りがいのあるすてきなお姉さんだと思っています。いてくれてありがとう!

おまもさん。はじめましてのときは「どうやって会話したらいいんだろう?」と思いました(笑)。でも、少しずつ目を見て話したり、一緒にふざけたりもできるようになってきてうれしかったです。演出の山崎(彬)さんに何かご指導いただいたら次の日には対応してくる姿を見て、努力家だと思ったし、アドリブがうまくて適応力もある人だと感じています。センスがよくて頭の回転も早い、まもさんは本当にかっこいい人です。

お美希は、いてくれるだけでその場が明るくなる人で、稽古場では笑いが絶えませんでした。私はエレキギターを演奏するのが初めてだったので、安心感を与えてくれる美希のドラムを神様のように感じていて(笑)。ドラムの技術はもちろん、人間性も素晴らしい人です。全部全部、ありがとう! 




大竹:最後になっちゃいましたね!花凜は芯の通った女性で、目の前のことに一生懸命に取り組みながらも周りに気を遣える人です。私がうっかり何かしてしまってもすぐにフォローしてくれて、本当に助けられました。花凜に伝えたいことはいろいろと手紙に書いたのですが…それは秘密です(笑)。今は「ありがとう」しかありません。

未来衣は、同い年ということもあって一緒にふざけることが多かった相手です(笑)。お芝居の経験が豊富な未来衣は、私たちをずっと引っ張ってくれながら、もっとうまくなりたいと向上心を持って熱心に稽古していて。そんな姿を見て「自分もがんばらねば」と強く感じました。

まもは…ちゃんとしゃべってくれるようになってよかったです(笑)。面白い人なので、よくちょっかいを出してしまっていました。いつも少し変わったTシャツを着ていて本当に個性的で、がんばりやさんで…まもがいてくれて本当によかったです、ありがとう。 



小山内:これはやばいですね!(笑) 

大竹大森:泣いちゃう! 

守乃:ああっ、ティッシュ! ティッシュを! 


――みなさんの強い絆のお話をありがとうございました! では最後に、Blu-ray/DVDを楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします。 

大森:本作は私たちにとって、夏の青春をぎゅっと詰めた特別な作品になりました。稽古の時から本番の期間もずっと楽しかったので、私たちが楽しんでいる気持ちが舞台にも表れていると思います。見ればきっと元気になりますので、元気を出したいときや幸せになりたいときにぜひ見てください。舞台上の私たちと一緒に楽しんでもらえたらうれしいです!

小山内:BD/DVDをあらためて見返すと、劇場や配信でご覧になったときの気持ちがよみがえると思いますし、新しい発見をしてさらにワクワクしたりもするかもしれません。舞台裏やメイキングも見られるはずなので、ディスクが焼き焦げるまで楽しんでください!

大竹:先ほど映像を見て「すごくきれい!」と思いましたし、表情がよく見えるのも映像ならではのいいところです。舞台では発見できなかった細かいこだわりにも気づけるかもしれませんし、何度も見て楽しんでほしいです。特典には稽古の様子もたくさん収録されているそうなので、私たちががんばっている姿を見て「自分もがんばろう!」と思っていただけたらうれしいです。

守乃:とにかく買って、生きる糧にしてください! 



(撮影・取材・文/広瀬有希) 


<Blu-ray&DVD情報> 

LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」Blu-ray/DVD
【発売日】2024年2月28日(水)
【仕様・価格】
<Blu-ray>¥10,780(税抜価格¥9,800)【ディスク2枚組(本編BD+特典映像DVD)】
<DVD>¥9,680(税抜価格¥8,800)【ディスク2枚組(本編DVD+特典映像DVD)】

【収録内容】
■本編ディスク  
・公演本編  
・日替わりシーンダイジェスト集 
■特典ディスク  
・メイキング&バックステージ  
・結束バンド密着ドキュメント~結束デイズ~  
・カーテンコール集 

さらに特典DVDがもう1枚ついた「アニプレックス オンライン限定セット」も発売! 

LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」Blu-ray/DVDアニプレックス オンライン限定セット
【仕様・価格】
<Blu-ray>¥11,330(税抜価格¥10,300)
<DVD> ¥10,230(税抜価格¥9,300)

【特典DVDの収録内容】
・ 特典映像企画①ビジュアルコメンタリー~大千穐楽公演を振り返ろう!編~
・ 特典映像企画②ビジュアルコメンタリー~オーディションを4人で見てみよう!編
・ビジュアル撮影メイキング
・千穐楽マチネ 結束バンド演奏シーン集

<公式サイトBlu-ray&DVDページ>https://bocchi.rocks/stage/bddvd/
<公式X>https://twitter.com/BTR_stage