日時:2022年10月5日(水)
会場:新宿バルト9
出演:青山吉能、鈴代紗弓、水野朔、長谷川育美/森遥香(MC)
※本記事には本編の若干のネタバレが
含まれますので、ご注意ください。
2022年10月8日(土)より毎週土曜24時から放送中のTVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』。原作は、はまじあきが贈る『まんがタイムきららMAX』連載中の音楽マンガ。陰キャで“ぼっち”な高校1年生のギタリスト「後藤ひとり」の日々が、バンド加入をきっかけに変わっていく模様を描いた物語です。
今回はオンエアーに先駆けて行われた、先行上映会後のトークイベントを詳細レポート! 後藤ひとり役・青山吉能さん、伊地知虹夏役・鈴代紗弓さん、山田リョウ役・水野朔さん、喜多郁代役・長谷川育美さんの“結束バンド”キャストが集結し、笑いの耐えないトークで会場を大いに沸かせてくれました。
第1〜2話を観ていない
“ぼっち”は誰?
随所で笑いが起こっていた、第1〜2話の先行上映会。本編が終わると、劇場内には自然と大きな拍手が鳴り響きます。メインキャストの4名は、担当する役柄のキャラクターカラーが映えた衣装で登場。最初の挨拶では、長谷川さんから「登壇5秒前に、突如謎の円陣が始まったんです」と裏話も明かされました。ただし打ち合わせナシで急すぎたためか、実際には「えい、えい、お〜……」と結束力がやや欠けていたようで、青山さんから「(その感じ)気合い入ってるか?(笑)」というツッコミも。それでも楽屋から盛り上がっていたという和気藹々とした雰囲気が、イベント序盤ですでに感じ取ることができました。
最初のトークテーマとして、「第1〜2話を観た感想」を聞かれた4人。青山さんは「会場の方々の反応を聞きたいですよね?」という質問にも、「聞きたいような、聞きたくないような……」と少し不安げです。それでも「どうでしたか!?」と勢いづけて問いかければ、会場からは大きな拍手が。これにはキャスト一同、安堵の笑みを浮かべていました。
その後も青山さんは「思いの丈は裏アカ(ウント)とかで……」と、ぼっち(後藤ひとり)に負けぬ陰キャムーブを発動。するとすかさず鈴代さんが、「いや、表(アカウント)でぜひ!」とフォロー&ツッコミを入れ、まるでひとりと虹夏のような掛け合いを見せます。
鈴代さんと長谷川さんは関係者試写会へ一緒に行ったばかりとのこと。これに対して、なんと青山さんと水野さんはまだ本編を観ていないことが判明! ざわつく会場に青山さんは、「朔……オレたちの気持ちは一緒だもんな?」と切り出し、スケジュールの都合で試写会に行けなかったこともあり、放送初日をファンの方と一緒に楽しみたいと葛藤しているうちに、先行上映会当日を迎えてしまった……と、釈明していました。
話は戻って、「ぼっち(後藤ひとり)はとにかくセリフが多く、人と会話できないぶん、脳内で喋るシーンやイマジナリーフレンドが登場するので、別録りもしていました」とアフレコを振り返る青山さん。ちなみにイベント終盤には、イマジナリーフレンド「ギタ男」役も青山さんが演じていることが明かされます。
続いて鈴代さんが「『ぼっち・ざ・ろっく!』は、いい意味で“『きらら』感”がない作品だなと思っていたんですけど……」というと、青山さんは「“コレ”、やってないもんね?」と“『きらら』ジャンプ”を実演。鈴代さんも共にジャンプしつつ、「カッコいい曲とポップな映像で、アニメならではの『ぼっち・ざ・ろっく!』らしさが表現されていて、超カッコいいし、超かわいいです」と笑顔。また「BGM(劇伴)がちょっと変?」とこぼすと、長谷川さんが「分かるよ。私民族っぽい曲好きなの」と共感し、鈴代さんも「そうそうそう!」と音楽面の魅力にも触れていました。
ここで水野さんのターンになると、衝撃の告白が。「実は冒頭だけ、観させていただいて……」と打ち明けたことで、青山さんは「裏切ったな!?」とショックをあらわにし、会場に笑いの渦が。「違うんです!」と慌てる水野さん曰く、「さすがに観ないとマズイかな?」と今日の移動中に試聴していたものの、楽屋に到着したところで止め、その後青山さんと観ないでおこうという話になった様子。そのなかでも「絵柄はポップなのに、背景やギター演奏、髪の毛の動きなどがとてもリアルで」と印象を述べ、そうしたギャップに違和感を覚えさせないところに作り手のこだわりを感じたといいます。
そんな水野さんのことを、「座長に合わせてくれたんだ……いいヤツだ……」としみじみ褒める青山さん。また先行上映会の映像について、「劇場用に音量を上げてくれているそうです」と、座長らしくスタッフ陣の熱い働きぶりも伝えてくれました。
一方、長谷川さんは「試写会でOPを観たときに、感動して泣きそうになってしまって」と語ります。実は結束バンドのボーカルとして、OP&EDの歌唱を担当している長谷川さん。「大事なOPを自分の声で飾らせていただくのは今回が初めてで、本当に光栄です」と、大役を任されたことに感謝と喜びを示していました。
ひとり役には、本当に“本質的な陰”
の人間が求められていたんだ!
2つ目の質問は、「キャラクターを演じるうえでの役作り」について。
鈴代さんはまず虹夏の印象を「最初に感じたのは、元気で明るくみんなを引っ張っていく子」と語りつつ、「結束バンドのお母さんポジションとして、濃いメンツをうまくまとめているなと収録を通して感じ、そこをどう表現していこうか考えました」。また実は鈴代さんは中学時代ドラマーに憧れていたそうで、クリスマスプレゼントにもらったスティックを今でも持っているのだとか。本作の収録に向け、そのスティックで実際ドラムも叩いてみたといい、「虹夏ちゃんはあんなふうに叩けてスゴいな!と感じました」と実体験も語ってくれました。
ここで「鈴代さんは“ナチュラル虹夏”だ」という話になり、長谷川さんが「そう思います。太陽みたいな感じ」と賛同。当の鈴代さんは、特別番組『BOCCHI STATION』(ABEMAにて配信)やラジオ番組『ぼっち・ざ・らじお!』の宣伝もしっかり挟む頼もしさ。「さすが気遣いの虹夏さん!」と褒められると、得意気な表情で場を和ませつつ、「絶対聞いてもらいたいので!」と語る姿から、作品への熱い想いが感じられました。
鈴代さんがゲスト出演している『ぼっち・ざ・らじお!』#03は、こちらからご視聴ください!
水野さんはというと、演じるリョウと自身のテンションが似ているそうで、「オーディション時からピンときていて、キャラ作りではあまり悩んでいないです。クールで孤高なところとか……」と発言。3人が「カッコいい〜!」「スゴい!」と囃し立てると、「冗談です」とはにかみます。そんな水野さんが悩んだというのが、リョウが草を食べるシーン。「頬張る系ならできますが、草を食べながら喋るお芝居が全然想像できなくて、アフレコ前みんなで集まっているときに、3人に質問しました」と、収録現場の裏話が。そこで鈴代さんに「ラマ(リャマ)みたいな口にして喋るといいよ」とアドバイスをもらい、「参考にさせていただきました」という打ち明け話は、3人とも初耳だった様子。またこのトーク中ラマの口を実演していた青山さんに続き、水野さんもこの場で挑戦することになり、後ろを向いて顔は隠しつつ「山田リョウです」と貴重な生アフレコを披露してくれました。
続いて長谷川さんは、「喜多ちゃんと私はまったく真逆というか。喜多ちゃんはザ陽!なリア充女子高生。パワーがあって常に明るいじゃないですか? だけど私は普段まったくパワーを使って生きていないから」と自己分析。鈴代さん曰く「でもカラッとしている感じは、喜多ちゃんと似てるような気がします……!」とのことですが、「週一のアフレコで貯めてきたパワーを喜多ちゃんに注入し、終了後は出がらしになって、また1週間パワーを貯める……っていうくらい、すごくパワーを使う子でした(笑)。そんなふうに真逆だからこそ、新鮮で、思い切ってやれました」と話してくれました。
最後に青山さんからは、オーディションの裏話が。ひとり役の要項にあった「※本質的な“陰”ができる方でお願いします」という注釈を見て、「やってやろうじゃないの?」と肩を回して意気込んだ様子を再現。「『きらら』アニメだぞ……?」と一瞬躊躇するも、「オーディションは落ちるものだし、やりきったろ!」と臨んだ結果、見事ひとり役を掴んだのだそうです。このことについて青山さんは、「本当に本質的な“陰”が求められてたんだ! 『(ぶりっ子調で)全然友達とかいなくてぇ〜』とかじゃなかったんだ! 本当に、友達が、いなくていいんだ……っ!」と握り拳で力説。パーソナリティを務める番組ラジオでも明かしているように、昔聞いていたラジオで声優さんが語る「友達いない」発言を真に受け、その傷をいまだ抱えている青山さん。当時を「カミツキガメだった時代」と振り返りつつ、「(自分のぼっちだった)人生が報われた瞬間でした。本当にぼっち(後藤ひとり)には共感しかなくて、あの日あの頃のネガティブな感情を引き出しながら、自信を持って演じられたんじゃないかなと思います」と、晴れやかな笑顔を浮かべていました。
素敵な挨拶でフィナーレ!と思いきや、
鈴代さんを待ち受けていたのは!?
あっという間にイベント終了の時を迎え、まだまだ話し足りなそうな4人は、声を揃えてビックリ! 最後は作品の見どころを踏まえて、挨拶を行いました。
「いろんな感想があると思いますが、皆様に納得していただけるような、そして日頃の悩みをちょっと解決できるような作品になっていると思います」と話す青山さん。「映像、音楽、すべてに気合いが入っていますので、今後の話数も楽しみに待っていてください。私は『ぼっち・ざ・ろっく!』に出会えてこれ以上ない幸せを感じているので、その幸せを皆さんと一緒に共有していけたらと思っています」と、本作への想いを語ります。
鈴代さんは「劇場で先行上映会をやらせていただけること自体、決して機会が多いわけではないと、楽屋でみんなと話していたんです」と感慨深げ。「熱い制作陣の一員に私も加われて嬉しいなと、今日この場に立ちながら感じていました。生きていると大変なこともきっとたくさんあると思いますが、肩の力を抜いて楽しくご覧いただけたら。『ぼっち・ざ・ろっく!』を一緒に盛り上げていただけると嬉しいです」と挨拶。
4人のなかでも最年少となる水野さんは、この日「話すのが下手ですみません」とコメントに悩むたび、ほかの3人がすぐさま優しくフォローする姿がしばしば見られ、4人の結束力を感じさせてくれたキーパーソンでした。「今まで自分が経験してこなかった青春を、擬似体験させていただいているような気がしています。キャストの皆さんにも仲良くしていただけて、楽しくアフレコに挑むことができました。ウッ!と刺さるところも、嫌な1日を笑って終わりにできるような面白い回も絶対あると思いますので、どうぞ毎週楽しみにしていてください!」とコメント。
長谷川さんは「ついにこの日が来たんだな……と嬉しい気持ちもありながら、何事も始まりがあれば終わりがあるので……」と、早くも寂しさを感じてしまった様子。「そう思ってしまうくらい、私にとって『ぼっち・ざ・ろっく!』は本当に大好きで大事な作品になっていて、放送開始に先駆けてお届けできたことが幸せです。喜多ちゃんの本格的な登場を、楽しみにお待ちください!」と述べました。
最後にフォトセッションに入ろうというところで、「ちょっと待ってください!」と声を上げた青山さん。「すみません、私どうしてもここでやりたいことがあって……でも尺がないの分かってます、だからさっさとやってくれるよね紗弓!?」と矢継ぎ早に言うと、「もう終わると思ったのに!」と慌てる鈴代さん。実は「京まふ2022」の公開ラジオ収録で、鈴代さんから一発芸の無茶振りをされていた3人。「時間がないようなのでやります!!」と意を決した鈴代さんは、手のひらにメモしたカンペを見ながら、一発ギャグ3連発を堂々披露! ネタが1つ終わるたび、青山さんは「面白いっ!」と太鼓判を押すのに対して、やりきったのちに「もう帰りたい……(涙)」とこぼした鈴代さん。ロックバンドのはずがまるで芸人のような一同の様子に、会場は再び笑いと拍手に包まれました。
短い時間ながら、キャスト陣の作品愛と、確かな結束力が伝わってきた今回のトークイベント。4人が演じるギターのひとり、ドラムの虹夏、ベースのリョウ、そしてギター&ボーカルの郁代が奏でる音楽と賑やかな日常風景は、TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』本編でご堪能ください。