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THEATER COMPILATION

OFFICIAL REPORT! 『劇場総集編 ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:』 オトナ舞台挨拶 出演:内田真礼、千本木彩花、小岩井ことり/森遥香(MC) 日時:2024年9月1日(日) 会場:新宿バルト9

2024年6月公開の前編に引き続き、8月より公開されている後編『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:』。このたび作品初となる、オトナキャスト集結のイベントが実現!伊地知星歌役・内田真礼さん、廣井きくり役・千本木彩花さん、PA&ジミヘン役・小岩井ことりさんが登壇した、9月1日(日)の舞台挨拶の様子を、オフィシャルレポートでお届けします!

オトナ組で一安心!? “ぼっち”舞台挨拶行脚に「修行だ」と慄く一同

念願叶っての“オトナ舞台挨拶”とあって、登壇時からワクワクした様子のキャスト陣。観覧の倍率が大変高かったと知らされると、「嬉しい!」と笑顔を弾けさせます。また客席を見渡した小岩井さんが、「みんなグッズをたくさん持ってくれている!スゴい!!」と感動の声を上げたとおり、客席には千本木さん演じるきくりお馴染みの「おにころ」や、小岩井さんが兼ね役をしている後藤家の愛犬・ジミヘンなど、3人の役柄にまつわるグッズ&応援アイテムを手にしたファンが多数見られました。

最初の挨拶で、「『ぼっち・ざ・ろっく!』のイベントに出るのは初めてなので、楽しみにしてきました!」と話してくれた内田さん。「ひとりで「結束バンド」のなかに放り込まれるよりも、オトナキャストで集まったほうが、やっぱり安心するというか……(笑)」と本音を漏らすと、心中を察した会場からも笑い声が聞こえてきます。

千本木さんが「結束バンドキャストの皆さんは“ぼっち”で舞台挨拶をやっているらしいですよ」と切り出したように、前編の際は登壇者一人、MCすらなしの“ぼっち舞台挨拶”が行われているという事実に、「まるで修行だねー!」と慄くオトナキャスト3人。内田さんは「ステージに出てきて、自分以外誰もいないんでしょ!? どうするんだろう……」と零し、千本木さんも「それを聞いていたから、今日はどうなるんだろう……とすごくそわそわしていたんです。でも普通の舞台挨拶で、安心しました」と安堵の表情でした。

そんな千本木さんは、今回の劇場総集編で、前後編共にバリアフリー版の音声ガイドを担当。収録時はディレクターの和田浩章さんと、「ここはもっと、ぼっちの気持ちに寄せていいよ」「ここは結束バンドがワチャワチャしているシーンだから、少し引いてみよう」などとやり取りしながら、進めていったと明かします。「一般的なバリアフリー版とはまた違う、『ぼざろ』ならではの音声ガイドになっています。新たな目線で作品を楽しめると思いますので、ぜひ一度ご利用ください!」と、呼び掛けていました。

ちなみに千本木さんのおすすめシーンは、「ぼっちが救世主のように出てくるシーン」で、ナレーションもぼっちに寄せ、ノリノリで録っているのだとか。ほかにも曲をバックに点描で見せていくところは「みなさんの気持ちを代弁しています」と、熱いファンほどほど楽しめる内容になっている様子です。音声ガイドは『HELLO! MOVIE』アプリを使って無料で聴くことができるので、ぜひお試しください!

内田さんが見せた“妹愛”「やっぱり虹夏は気になります」

ここから話題は、3人も出演したことがある『ぼっち・ざ・らじお!』へ。千本木さんは、青山さんがひとりでずっと喋っていたことで、出番まで1時間近く待機していた……というエピソードからも分かるとおり、同番組は基本的に青山さんが“ぼっち”で進めていくという異色のスタイル。オトナキャストたちのなかでも「ヤバいラジオ」と名高いようです。

改めて青山さんと対話してみて、小岩井さんはその印象を「語彙力がすごく面白い方でした。聞いたことがない言葉の組み合わせで、さすがぼっちちゃんに選ばれるだけあって、役柄と共通する部分があるんじゃないかなと」と振り返ります。また内田さんも、「落ち着いていて、場を掌握する力がありますよね? ひとり喋っていくなかで、自分でちゃんと結論を作っていく感じ。文豪みたいだなと思いながら接していました」。さらに黒歴史エピソードの数々に着いていけない一幕もあった千本木さんは、「ぼっちちゃん役に選ばれるだけあって、スゴかったですよね」としみじみ語り、「もっと喋りたいかなと思う気持ちと、もういいかな……という相反する気持ちが湧きました(笑)」と本音をぽろり。鬼才・青山吉能さんに畏怖するオトナキャストなのでした。

続いて、お気に入りのキャラクターを聞かれた3人。

まず小岩井さんは「ふたりちゃんが、可愛くて可愛くて!」と、ひとりの妹・後藤ふたりにすっかり心掴まれている様子。ジミヘンの収録は、後藤家キャストと一緒のことが多かったそうで、特に掛け合いが多かったふたりについて、「無邪気で本当に可愛かったです」と終始笑顔です。

一方、千本木さんは「結束バンドのなかだと、(伊地知)虹夏ちゃんは自分とポジションが近い気がして、共感しながら観ていることが多かったです」とコメント。千本木さんご自身も「中立の立場を取りがち」だそうで、4人のなかでもいわゆる“年上ポジション”にいる虹夏に、シンパシーを抱いていることを明かしました。

そんな虹夏の姉役である内田さんも、「やっぱり虹夏は妹なので、気になっちゃいますね。グッズも一番見てしまう」と“妹愛”が炸裂。さらに「虹夏役の鈴代(紗弓)ちゃんが、めちゃくちゃ可愛くて! 私のことをすごく慕ってくれるんです。でも2年ほどご飯に行けていないから、これを機に連絡してみます。実現したら、みなさんにもご報告できたら……!」と、微笑ましいキャストの交流についても教えてくれました。

オトナキャストで一番“幸せスパイラル”を味わっているのは?

次にきくりと言えばなトピック、“幸せスパイラル”は何かという質問に、温泉にハマっていると話してくれた千本木さん。特に最近は岩盤浴に行きリフレッシュしているそうで、お酒が手放せないきくりとは正反対の(?)健全な私生活が窺えました。

対して内田さんが最近ハマっているのは、コーヒー。これまではお店で買うことが多かったけれど、豆を買って自分で淹れたコーヒーの美味しさに気付いたそうで、「『今日ちょっとしんどいな……』という日でも、美味しいコーヒーを飲むと、『頑張ろう!』と思えるんです。特にケニアがお気に入りで」と告白。これを聞いた千本木さんは「カッコ良すぎますよね!」、小岩井さんも「オトナだ!」と、キラキラした眼差しを向けていました。

そんななか、最も会場をどよめかせたのは小岩井さん。「PAさんと似ているかもしれないんですけど、機材が好きなんです。オーディオ機器やパソコンが大好きで」と語り出し、「新品の箱を開けたときの匂いが好き。特にCPUの匂いが、すごく良いの! 今度嗅がせてあげたい!!」と熱弁! 思わぬ感性にふたりが驚かされつつ、客席にはこれに共感する人もちらほらと見受けられ、「高級なCPUであればあるほど、良い匂いなんです。その匂いのために、買っている!まである!」と述べる小岩井さん。“幸せスパイラル”を一番味わえているのかもしれないその様子に、客席からも笑い声が上がっていました。

SICK HACK・きくりが歌う『ワタシダケユウレイ』のエピソードも

最後の質問は、「『ぼっち・ざ・ろっく!』で一番お気に入りの楽曲は?」。

「王道だと思うけど、『青春コンプレックス』がめっちゃ良い! めちゃくちゃ聴いています」と、TVアニメオープニングテーマを挙げたのは小岩井さん。「若さとか、認められたい気持ちとか、それを深夜に沸々とさせている感じとか。いろんなものがギュッと詰まっていますよね」と、魅力を語ってくれました。

続いて千本木さんがピックアップしたのは、劇場総集編前編のエンディングテーマ今、僕、アンダーグラウンド』。「爽やかさのなかに寂しさがあって、でも前に進みたいという気持ちが、上手くミックスされているなと。(喜多郁代役)長谷川(育美)さんの歌い方も、最高! 本当に良すぎて何度も聴いています」と太鼓判です。「長谷川さんをキャスティングした方、最っ高ですよね!」と言う千本木さんに、ふたりも「本当に!!」と首を大きく縦に振っていました。

内田さんは「悩むけど、『星座になれたら』かな……」と、文化祭ライブの1曲をチョイス。「良い曲すぎて、あのメロディを聴いていると、浄化される気がするというか。『結束バンドって、何て尊いんだ!』と思ってしまう楽曲です。何度聴いても飽きない魅力があると思います」と、ファンさながらの熱さを見せました。

良曲ばかりであることを、改めて再確認した3人。千本木さんが「全曲『ぼっち・ざ・ろっく!』らしくて、メッセージ性がありますよね」と話すと、小岩井さんは「リアルだなと感じます。通常のアニメって、一作品のなかでもいろんな色の楽曲があることが多いですけど、『ぼっち・ざ・ろっく!』は一貫性があって、アーティストっぽくて、レアな感じがしますね」と、作品の魅力を語ってくれました。

ちなみにこの日、登場曲として流れたのは、千本木さんが歌うきくりたちのバンド「SICK HACK」の『ワタシダケユウレイ』。千本木さんは収録時、結束バンドのボーカルとして長谷川さんがどんなふうに歌唱しているのか、まったく知らなかったと当時の様子を明かします。「まさかこんなスゴいクオリティの曲ができているとは思わず。でも私もできる限り頑張りました。それをスタッフさんが良い感じに仕上げてくださって、本当にありがたいです」と収録エピソードと共に、素直な胸の内を語ってくれました。またきくりが「カリスマ」と称されることについて、歌唱する身としては内心焦りもあったと明かしながら、アニメで『ワタシダケユウレイ』を演奏するSICK HACKのライブシーンを観て、「サイケデリックって、映像で表すとこうなるんだ!と。監督の思い描く世界観が表現されていて、『ぼっち・ざ・ろっく!』らしいなと感動しました。SICK HACKのメンバーもなかなかヤバい人たちで(笑)、みんなをカッコよくフィルムに落とし込んでいただけて嬉しかったです」と、きくりたちのバンドについても触れ、感想を述べてくれました。

キャスト陣も待ち望む「結束バンドのこの先」

この日限りの貴重なステージも、あっという間に終わりの時間に。3人は作品愛と共に、この日集まった多くのファンへ、改めて感謝の想いを伝えました。

「オトナキャストで『ぼっち・ざ・ろっく!』の舞台挨拶をさせていただけて、とても光栄でしたし、久しぶりに3人で顔を合わせて、2年前のTVシリーズのアフレコを思い出しました。そして結束バンドの4人にも、また会いたくなりました。別な場所でそれぞれに会うことはあっても、『ぼっち・ざ・ろっく!』を背負って4人に会う機会はないので……」と語った内田さん。実は先日、長谷川さんと顔を合わせた際に、「オトナ舞台挨拶、観たいです!!」と熱く伝えられていたのだそう。このことからも分かるように、キャスト陣は『ぼっち・ざ・ろっく!』の現場を共にするなかで生まれた絆を、作品外で会うたびに再確認できているのだと3人は言います。

内田さんは客席へ向け、「これからもこの作品がみなさんと共に大きくなっていき、自分もそこに携れるよう、頑張っていきたいと思います」と、真摯な言葉を投げ掛けていました。

「オトナ舞台挨拶を前に、本編も見返したんです」と話し始めた千本木さんは、改めて本作の魅力についてこう述べます。「みんなあっぷあっぷしちゃうこともあるけれど、そのなかで踏み出したい一歩や、誰かと歩み寄りたい気持ちが、きくりをはじめ、すごく繊細に描かれているところが素敵だなって。それが楽曲になって、みんなでひとつのものを作っていく、まさに“青春”を描いているところが、『ぼっち・ざ・ろっく!』はすごく良いなと、後編を観て改めて感じました。そこがみなさんにも刺さって、共感いただけて、こうしてたくさんの方に作品を観ていただけているんだなと思うと、そんな作品に関わることができてすごく嬉しく光栄です」。そしてファンに、「この先の結束バンドも見たいと、私も強く思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします!」と呼び掛けました。

舞台挨拶冒頭で、「私が大人役をやらせてもらえるって、すごく新鮮じゃない? そういう役をやらせてもらえるようになったんだなって」と、感慨深げに語っていた小岩井さん。オトナキャストでのイベント出席について、改めて「素敵な機会をいただけて、そして『ぼっち・ざ・ろっく!』が大好きなみなさんと一緒にこの時間を楽しめて、幸せでした。映画館の音響で作品を楽しめるのは、すごく贅沢なことだと思います。ぜひたくさん浸って、浴びて、作品を思う存分楽しんでいただければ。一ファンとしても素敵な作品だなと感じている『ぼっち・ざ・ろっく!』に、これからも関わっていけたら嬉しいです。今後とも応援をお願いします!」と、挨拶を締め括りました。

最後は内田さんが音頭を取り、作品恒例の「センキュー!」で舞台挨拶は終幕。“オトナ”だけの濃密な時間に、客席からは大満足の拍手が贈られました。

PHOTOGRAPHY BY 田村与

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